印刷からまちの風景を編む
2024年11月にオープンした、リソグラフのあるまちの印刷室「大野の印刷・編集室 みなと」。
「“自分でつくること”をもっと身近に感じられる場所を作りたくて」と話すのは、運営者の山本さん。

「まちの印刷室」という名前は付いていますが、単なる印刷代行にとどまらず、名刺づくりや冊子編集、印刷のワークショップまで幅広く対応。
紙の選定から印刷工程、レイアウトの相談まで、伴走型でサポートしてくれるのが特徴です。


印刷って、こんなに楽しいんだ!を体感してほしい
スタジオの主役は、レトロ印刷機・リソグラフ。
一般的なプリンターと違って、ズレやかすれが味になる独特の風合いや、その時々でしか出てこないライブ感が特徴で、「作ったときの空気感・作ることそのものを楽しめる」のが魅力なのだとか。




この間も、市内外から10人が集まって、1冊の本をつくるワークショップを開催したんですが、全員初対面でも、みんなで1冊の本を作っていくという行為を通じて一体感が生まれて、嬉しかったです。
この場所での開業を決めた理由とは?
もともとは都市部に住んでいた山本さん。この場所への出店を決めたきっかけは、「印刷を通じて、まちに何か新しい風景を加えたい」という想い。
中古でリソグラフ機を入手したのを機に、大野・七間通り沿いの空き家とご縁があり、DIYでの改装や建物に残されていた家具などを上手に活用してスタジオをオープン。
以前、神奈川の小さな本屋さんを訪れたことがありました。そこは本を「買う」だけでなく、印刷機が置かれた出版部も併設されていて、誰もが本を「つくる」側になれる場所でした。
そのお店がある商店街では、”つくる文化”が根づいていて、たとえ小さな変化でもまちが変わっていく実感にとても惹かれたことを覚えています。
大野も、お醤油や酒蔵など、もともと”つくる文化”のあるまちです。だからこそ、私の好きな印刷というツールを使って、”つくる面白さ”や”届く喜び”を分かち合えたら、このまちで暮らすことが今以上にもっと面白くなるんじゃないかと感じています。
…消費から一歩踏み出して、誰もが“作り手”になれる、そんなまちの印刷室を目指しています。



主な利用者と人気のサービス
訪れるのは、まちで活動する個人や小商いの人たちが中心。特に多いのが、「名刺をつくりたい」「冊子を出してみたい」という声。
「こんなものが作りたい!」というイメージを、伴走してもらいながら一緒に形にしていくことができます。




最近では、大学生ふたりが写真とエッセイを組み合わせた冊子を制作。構成や紙の選定、印刷のニュアンスまで、半年以上の時間をかけて仕上げた一冊は、イベントで多くの人に手に取ってもらい、初めての土地での出店で、1日で13冊が売れたそう。
「自分のことのようにうれしかった」と話す山本さん。手ざわりのある冊子に込めた想いが、多くの方に届いたことを実感できた出来事だったそうです。
どんな人におすすめ?

- 自分の表現を、SNSではなく“紙”で届けたい人
- “印刷って面白そう”と、ちょっとでも感じている人
- 冊子や名刺を通して、渡す相手との関係を深めたい人
自分が想うモノゴトを、冊子というアナログな形で手渡していくことで、価値観や想いに共感する人同士が繋がり・その輪が広がっていく…そんなお手伝いができるのが嬉しいのだそう。
OPEN日・利用方法
みなとの利用方法は次の2パターン。
①施設オープンDAYにふらっと立ち寄る→Instagramにてスケジュールを確認。
②名刺や冊子づくりの相談を直接する→InstagramにてDMを!

印刷機を見てみたい方、冊子づくりを相談してみたい方、ずっと気になっていた…!という方はオープンDAYに是非足を運んでみてください。
INFORMATION
住所 大野市元町2−9
営業時間 Instagramにてご確認ください
駐車場 近隣の公共駐車場を利用ください。
Instagram 大野の印刷・編集室 みなと